YOHSHIRO HAGIMORI PHOTO OFFICE

萩森陽志郎写真事務所

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Yoshiro Hagimori Photo Office Official blog 現実と非現実の間

COLUMN

写真

サイトリニューアルしました

2022.9.15

今回、私のウェブサイトを10年振りにリニューアルしていただきました。

ウェブデザイナーさんとの一回目の打ち合わせの際、まず双方で参考デザインを提出し合いました。
すると直ぐに共通項が見えました。

「シンプル」「余白を活かす」

よく考えたらそれは必然だったのかもしれません。大切なのは「いかに写真を活かすか」ということ。
元々、デザインや写真の使い方、使われ方に拘りが強い自分ですので、今回のサイトデザインも自分でやる予定でした。
しかしその瞬間、安心してこのウェブデザイナーさんに全てお任せしようという気持ちに変わりました。もちろんこちらの要望もありましたが、それにも全て完全な形で応えていただき、デザインはあっという間に仕上がっていきました。

肝心の掲載写真ですが、私にとっては写真のセレクトが一番の悩みどころでした。
実は今から5年前に自分の作品集を作製したのですが、その際も写真のセレクトに苦労していたのです。
そんな時、たまたまテレビで見たのが作詞家松本隆さんのインタビューの言葉でした。

「心が乱れた状態を詞にすると面白くない。感情むき出しの詞は瞬間的にウケても残らない。一旦心を落ち着かせて沈殿させ、浮かんできた上澄みの言葉で詞を書くとみんないいと言う。単純が一番強い。…小説は足し算。詩は引き算。」

当時100ページという縛りの中で、いや、100ページもあるにも関わらず、写真作品がなかなか収まりきれず困っていた僕は、自分の写真に思い入れが強すぎるのか、あれもこれも詰め込もうとしていました。
そんな僕にとってこの松本隆さんの言葉は、思い切って余計な写真作品を切り捨てていく力になったのです。
ひと通り作って、そして時間を置いて再び見る。
すると余計なものが見えてくる。
その繰り返しによって僕の作品集は完成しました。
それと同時に、改めて写真は「詩」であり余計な言葉で説明する必要はないんだな、と気付かされました。

今回はブログの第一回ということで、リニューアルされたウェブサイトの完成報告と製作に携わっていただいたデザイナーさんへの感謝の気持ちを綴りましたが、今後は写真について、それも作品について直接語る内容ではなく、仕事を通して写真について学んだことや感じたことを綴っていけたらと思っています。